秋桜と御在所岳・鎌ヶ岳
三重県菰野町田光令和6年10月23日撮影

  
   同人作品(石井いさお 抽)    
     大風に耐へて走り穂二つ三つ
小川 敦子
     ロボットの搾乳を待つ牛残暑 谷添 睦子
     クレーン吊る灼けし鋼材平衡に 宮本 裕子
     枝打ちに病葉舞へる売屋敷 藤岡佐代子
     尖りきし母の背さする夜の秋 矢守 絢子
     七日目の蟬己がこゑ抱いて死ぬ 長澤むつ子
     目薬のまなこに沁むる大暑かな 久松 雅彦
     追川魚(おいかわ)の婚姻色を釣り上ぐる 丹賀  祥
     転宅の略図日に褪せ古簾
落合 岑子
     らんちゅうの己が重さの置きどころ 玉置 伸子
     海に生れ海に台風消えにけり
藤原久美子
     洗濯物焦げる匂ひの極暑かな 舘 千恵子
     新涼の真ん真ん中のかづら橋 髙橋はるみ
     とんぼうの影の映らぬ高さ飛ぶ 西岡せつ子
     夕明り綿置きし如蕎麦の花
小川 明子
     からす瓜闇を網がけ咲き満つる 増田  實
     雪洞に浮かぶ編笠風の盆 小原  隆
     下り月禍事多き正五九 佐藤  茂
     稲妻や地球に投網掛くる如 寺本美和子
     ガラス器の影しろく透く炎暑かな いりやま勝英
     九歳の墨袈裟涼し御髪剃
福田  正
     貨物待つクレーンの列潮は秋 中島 正紘
     開かむと気息の蓮の揺れてをり
石橋 林石
     昆布漁赤旗上がる浜眠る 加藤 佳代
     澄む水にきらめく魚影刃物めく 藤野 智弘
     鮒鮓の重石ころがる島の波止 尾崎美子
     送り火の舟形煙の水脈を曳く 佐藤三千子
     点滴の解けて聞こゆる秋の声 内田 幸子

                       

 
   会友作品(石井いさお 選)
     退治せし巣の軽きこと雀蜂 川口 義和
     秋されや足助の里は夜念仏 杉山ひろし
     畦道に火の手あがるや曼珠沙華 井戸 康子


 
   誌友作品(梅枝あゆみ 選)

     夜濯や昼間の熱を洗ひ捨て 石榑美枝子
     空高し真直に上がる竹蜻蛉 髙橋 信次
     少し揺れ大きく揺るる稲穂かな 荒川 敏明

下の各月をクリック(タップ)すると掲載済みの句が閲覧できます。
 令和6年1月 令和6年2月   令和6年3月  令和6年4月  令和6年5月 令和6年6月 
 令和6年7月  令和6年8月  令和6年9月  令和6年10月 令和6年11月  令和6年12月