同人作品（石井いさお 抽）
| 町興し協賛店のソーダ水 |
小川 敦子 |
| 摩尼車回せば経よみ鳥鳴けり | 豊田 征子 |
| 楽の音の涼し柱の来迎図 | 中西久美子 |
| 蛍火に峡の棚田の浮き沈み | 谷添 睦子 |
| 夏草や亡夫の砥石で鎌を研ぐ | 平見 久代 |
| 草茂る弥生の逆茂木吉野ヶ里 | 足立 陽子 |
| 辛口に煮つめし蕗や男炊き |
矢田喜美子 |
| 夏の潮力ゆるめず内浦に | 岡田 幸子 |
| 風鈴の舌に煽らる伊吹山 | 久松 雅彦 |
| 手花火の小さな闇を浮かばせり | 小掠千代子 |
| キャンプ更け燠が灰脱ぐ磧石 |
落合 岑子 |
| 炎天の阿形の叫び歪みをり | 水野さとし |
| 変形の被爆巨樹より蟬の声 | 瀬川 友子 |
| 国を分く滝の轟音水煙 | 濵 美和子 |
| 熊野みち地から雨ふる |
増田 實 |
| 梅雨寒や箍の食ひ込む醬油蔵 | 玉置 泰生 |
| もてなしは瀬音と河鹿山の宿 |
近藤 悦子 |
| 前海は自然の生簀蛸󠄀虎魚 | 北村みよ子 |
| 大阿蘇の駅洗はれり大夕立 | 佐野 弓子 |
| 来た道も今この道も姫女菀 | 伊藤 暢子 |
| 風音に厚みありけり樟若葉 |
樋口 一破 |
| 泳ぎても泳ぎても沖近づかず | 伊藤かおり |
| 峯雲の天辺強く照らさるる |
高橋 進 |
| 百年の泰山木の落花に香 | 三輪 洋子 |
| 吹き上がる渓よりの風滝見茶屋 | 山本 孝子 |
| 落雲雀歌を余して落ちて来し | 伊藤 孝子 |
| 雲海を台座に座る槍穂高 | 平野 透 |
| 逃水を追ひかけてゆく葬の列 | 大野 利江 |
会友作品（石井いさお 選）
| 小雨中プールの授業続きをり | 寺西美代子 |
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内田 貞子 |
| 滴りの音のリズムの崩れなし | 松見たき子 |
誌友作品（梅枝あゆみ 選）
| 真ん中に青のあじさい花手水 | 藤堂美津子 |
| 黄ばみたる冒険譚を紙魚の這ふ | 和田よしのぶ |
| 一本の線となる影蟻の列 | 林 さちゑ |
