第59回  熊野大花火俳句大会 

  石井いさお 選

 地賞

揚がるたび闇剝れ落つ大花火

  平野 淑子

  名村早智子 選

 人賞

大漁旗沖埋め尽くす海女まつり

  平野 淑子

  西宮  舞 選
 天賞
天界を引き込む如く滝の落つ
  山本 孝子
       


 誌上句会  (第52回)  
  兼題   夕立   
   投句数 118名(236句)  

        「概評」                       石井いさお

         雨の中でも激しい夕立。それをどこで、どのように降らすか興味を持って選に臨んだ。
        軒下に逃げるとか、土の匂いがするなどの句が何句かあった。これらは発想がややイー
        ジーかなと思った。結果は次の通り。
 
  
  
石井いさお 主宰 特選  

   最南端串本の大夕立かな  今井 文雄 
     台風銀座串本。串本なら太平洋の水分もたっぷり吸って
    いかにも大夕立となりそう。 

   摩天楼裏側濡らし夕立晴れ  坂野  辰   
     都心部の夕立の降り方は掲句のようであろう。裏側を濡ら
    すところにビル群の高さが思われる。 

   隣り合ふ駅にて夕立降る降らず  榊原 惇子 
     昔なら馬の背を分ける夕立。今なら隣り合う駅同士でも降る
    駅と降らぬ駅と。