【概評】 |
石井いさお |
初日の上る海から始まって荒れる冬の海まで四季の変化に富ん
だ海の百態が多様に詠まれていた。改めて日本は海洋国だなあと
思った。
時節柄、能登地方の災害に触れた句も多かった。美しい景色と
おいしい海産物を提供してくれる能登の復興が一日も早いことを
強く願っている。
残念なのは、無季の句が20句もあったこと。季語は俳句の
命、絶対に入れて下さい。無季の句は選の対象外としています。 |
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石井いさお主宰 選 特選
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漁夫老いず津軽の海に鮪追ひ |
山田 光司 |
男のロマンだ。大間の冬は厳しいが、それでも大鮪を追って今
日も男は 闘い続ける。
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潮の声背に聞き分けて海苔掻女 |
伊藤かおり |
初春の日本海はまだ荒い。干潮を縫って海苔を掻き続ける漁婦
も波の気配を背中で聞きつつ採り続けている。
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命綱深きへ一気鮑海女 |
平野 淑子 |
鮑捕は呼吸との勝負。効率的に潜ることが命題で、掲句でも一
気に深くへ潜っている。 |
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