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第49回 誌上句会
題  『海』 
投句数 178名(356句)
       
 【概評】 石井いさお
  初日の上る海から始まって荒れる冬の海まで四季の変化に富ん
 だ海の百態が多様に詠まれていた。改めて日本は海洋国だなあと
 思った。
  時節柄、能登地方の災害に触れた句も多かった。美しい景色と
 おいしい海産物を提供してくれる能登の復興が一日も早いことを
 強く願っている。
  残念なのは、無季の句が20句もあったこと。季語は俳句の
 命、絶対に入れて下さい。無季の句は選の対象外としています。
 
   石井いさお主宰 選 特選 
  漁夫老いず津軽の海に鮪追ひ   山田 光司
  男のロマンだ。大間の冬は厳しいが、それでも大鮪を追って今
 日も男は 闘い続ける。

 
  潮の声背に聞き分けて海苔掻女  伊藤かおり
  初春の日本海はまだ荒い。干潮を縫って海苔を掻き続ける漁婦
 も波の気配を背中で聞きつつ採り続けている。

 
  命綱深きへ一気鮑海女   平野 淑子
  鮑捕は呼吸との勝負。効率的に潜ることが命題で、掲句でも一
 気に深くへ潜っている。