「鳥 籠
」
風の紗を掛けて琵琶湖の春霞
比良八荒波に浮沈の紙塔婆
負け兆す気配で分ける闘鶏師
根の声を足に聞きつつ麦を踏む
百丈を落下の滝や山桜
竹藪や熾火のごとき落椿
陣取りのごとくに針や針供養
吹き白み峰を走れる花吹雪
乗つ込みの波の穂先や海苔育つ
森といふ鳥籠の中囀れり