それから私達は何もしゃべらなくて、気まずい雰囲気になって・・・
それに耐えられなくなったのか大樹は歩いて教室に戻ってしまった。
私は、大樹が戻る時大樹の事を考えてなかった。
恋ってそんなもん
本鈴がなって授業が始まる。
何で俺はダメで南はいいわけ?
何でって。
そんなの知らない。
知らない。
「は〜・・・・。大樹、見てたんだ・・・。」
大樹が見てたからって別にうしろめたい気持ちにはならない。
あやまろうとも思わない。
だって南と私は友達。
ただ、それが、男と女だっただけであって。
私は午後の授業を全部サボってずっとここにいた。
どうしてか、南の事が頭から離れない。
南の事を考えてしまう。
「もうそろそろ終わるよね、HR・・・。」
ゆっくり歩いて教室に行こうかな、と私は立ち上がった。
「
!」
突然名前を呼ばれてビックリして前を見たら南が走ってきていた。
「な、何来てんの?南。」
「何って・・・・。その、お前授業出てなかったし。田中に『
がココにいるから迎えに行ってくれ』って言われて・・・。」
田中は大樹の苗字だ。
「田中と喧嘩でもしたのか?」
「・・・・・。」
「
?」
「・・・私さ、大樹の事好き・・・・だったんだ。」
「そう思ってたの。」
「でも・・・違ったのかもしんない。」
「告られて、調子にのってたのかも。」
「
・・・。」
「今だって、大樹にあんな事言われて・・・大樹の事考えなかった。」
「ずっと、南の事考えてた。」
「私さ南が好きなのかもしんない。」
風が吹き始める。
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