南が好きなのかもしんない
恋ってそんなもん
冷たい風が私の心を冷やす。
一瞬なんて事を言ってしまったんだろうと後悔したがもう言ってしまった後だ。
どうしようもない。
「いや、
何言ってんの」
「・・・」
「・・・田中と何かあったのかよ」
南を見ると南は告られた事にたいして照れるとか困ったとかそんな顔はしてなかった。
なんていうか・・・心配?みたいな。
大樹と私の仲を心から心配している。
どこまでもいいヤツだ。
「
」
「・・・何」
「喧嘩したんだろ?田中と」
喧嘩・・・って言えば喧嘩かもしれないけど。
もう喧嘩とかそういう問題じゃない。
「全部、南のせいだ」
目の前には意味が分からないカンジで突っ立ってる南。
私はその顔を見て少し笑った。
「南があまりにもいいやつだから・・・惚れちゃった」
「惚れちゃったってお前・・・」
何で私は大樹と付き合ったんだろうね。
嫌いじゃないから、告られたから、付き合うなんておかしいよね。
大樹と恋したかったんじゃないのにね。
もしかしたら
もしかしたらだけど
南のこと最初から好きだったのかもしれなかったのに。
それに気付いてたら大樹とこんな風にならなくてよかったかもしれない。
大樹にあんな顔させなくてすんだかもしれない。
「ほら
、田中んトコ行ってあやまって来いよ」
「何で」
「・・・・はぁ・・・。喧嘩したんだろ?お前ら」
南は私がまだ大樹のことを好きだと思ってるらしい。
さっきの告白は冗談にとられたわけだ。
まぁ冗談まじりで言った(つもり)なんだけど。
だってまだ南に対してドキドキしたことがない。
だから、ねぇ教えて
恋ってなんなんですか
つづく
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