体育館の階段の下は影になってて涼しくてなんかやっぱり良かった。
恋ってそんなもん
私と大樹はすぐご飯を食べ終わってしまって二人でぼーっとしていた。
「つーかお前食べんの早すぎ。」
「えー?そう?」
「そうだよ!普通女って男の前じゃ上品にゆっくりなおかつ可愛らしく食べるもんだろ。」
「あんた私に何を求めてんのよ。これ以上可愛らしくなってどうすんの。」
「(無視)それがお前ときたらガツガツ狂った狼のようにペロリと弁当をたいらげて・・・!」
「(無視かよ・・・)狂った狼とかそんなにスゴクないし!」
「い〜や、すごい。すごかった!」
そう言って二人で笑いあった。
こういう時、「あぁやっぱり大樹と付き合ってよかった」って思う。
キーンコーンカーンコーン
キーンコーンカーンコーン
「あ、予鈴。」
私は立ち上がった。
けど大樹に手をつかまれて歩きだすことが出来なかった。
「何?大樹。」
「サボんねぇ?」
「はぁ?何言ってんの、ダメでしょー。ほら大樹立って!」
私が大樹の手を引っ張っても大樹は立とうとしなかった。
「この前さ・・・。」
大樹がしゃべり始める。
「
、南と二人でサボってたじゃん。」
「何で俺はダメで南はいいわけ?」
「
の彼氏は俺じゃん。」
その時の大樹の顔は一生忘れることができないだろう。
悲しそうで寂しそうでなんとも言えない表情。
さっきまで晴れてた空も少しずつ雲が増えてきた。
楽しかった時間が一気に最悪な時間になったように・・・。
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