やー! ちゃん!!」

振り返ると後ろに千石がいた。




恋ってそんなもん


今私はなぜか廊下で千石と向き合っている。
私はあんまりコイツの事が好きではない。
おせっかいで無駄に私と大樹の事に顔を突っ込んでくるからだ。


「何か用?千石。」

「いやぁ用はなんもないんだけどさぁ。ちょっと ちゃんの姿が見えたから声かけただけ。」


そう言って笑う千石。(ヘラヘラ笑うのが一番似合う)


「大樹なら向こういたよ。ホラ。」

「大樹?いや、別に私大樹のトコに行こうとしてたんじゃないし。」

「ふーん。愛が薄いな〜 ちゃんは。」




愛が薄い?




「大樹なんていっつも ちゃんの事話すんだよ。前の日の夜見たテレビの話より長いし。」




テレビよりって・・・。
喜んでいいのか喜ばないべきなのか微妙で困る。





「大樹はさ、 ちゃんにベタ惚れなのに。」





私はそれから少し間を開けて言った。





「私も大樹の事好きよ?」








そう言って私は大樹がいる所とは反対の方向に歩き始める。







「疑問系なんだ ちゃんは。」


千石がそう呟いたのに私は気づかなかった。







そして昼休み。
いつものように大樹が1組まで私を迎えにくる。


ーメシ食おうぜー。」

「あ、うん。ちょっと待って。」


私はかばんの中から今朝お母さんが作ってくれた弁当を持って大樹の所に行った。


「今日ドコで食う?」

「外は晴れすぎてて暑いからヤダ。」

「確かに。じゃあ・・・3組行くか?」

「千石がいるからもっとヤダ。」

「お前ワガママー!」

「うるさいなぁ!あ、ホラあっこ行こう。体育館の階段の下。」



そう言って二人で目的地に向かって歩き出す。










廊下を歩いてる時南とすれ違ったけど、目が合っただけで何も話さなかった。









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