令和５年１１月
同人作品（石井いさお 抽）
百日草咲いて百日供花にせり
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谷添 睦子 |
| 灼け土を蹴って盗塁甲子園 |
赤松由美子 |
| 夜濯や遥か車灯の流る闇 |
藤岡佐代子 |
| 穂の国の市電のホーム螇蚸跳ぶ |
久松 雅彦 |
| 高原は星の渋滞天の川 |
沖 節代 |
| ゆく夏や堰に絡める忘れ攩網 |
落合 岑子 |
とんぼうや自分の好きな風に乗る
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舘 千恵子 |
| 躄りつつ草取る母の曲がる指 |
水野 悦子 |
| 瞑りても眼を射抜く稲光 |
北林 重代 |
| 公平に飽くなき風を扇風機 |
浦 悦子 |
| 木彫の屋号や飛彈の猪の宿 |
小原 隆 |
| 丈一寸命ぎり生く糸蜻蛉 |
佐藤 茂 |
| ブラックバス釣れるだけ釣り捨てていく |
樋口 良子 |
| 手の触るる気配に弾く鳳仙花 |
寺本美和子 |
| 一音に手足乗せつつ風の盆 |
加藤美江子 |
| 水の星火の星と化し夏燃ゆる |
加藤 里歩 |
盆の僧仕舞ひは足のつる話
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坂下 充子 |
| 台車ごと入るる漁師の冷蔵庫 |
伊藤 久子 |
| 立つ雲の重心失せて夏の果て |
福田 正 |
| 古簾垂らしなじみの影を置く |
村田 郁夫 |
| 秋暑し砂利プラントの選別音 |
宇佐美ちゑ子 |
| 秋めくや木戸の出入りも間遠なる |
橋爪 貴子 |
| 高齢化ビデオに拝む墓参かな |
山本 弘
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| 月今宵己が光の中にあり |
武田 巨子 |
| 澄む池に魁夷の白馬現れたまへ |
川上なみ子 |
| 葉月潮島揺らせつつ寄せ来る |
石井 洋子 |
| 塩を舐め極暑の作業御塩浜 |
松本 愛子 |
| 生けるもの影も供へて墓参かな |
内田 幸子 |
会友作品（石井いさお 選）
| 稗抜かれ濁点の無き田に戻る |
中村たけみ |
| 掃除機の新品の音盆支度 |
鈴木 梅子 |
| 秋の虹未完のままに薄れ行く |
岡田 幸子
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誌友作品（梅枝あゆみ 選）
| 湧泉池金魚の列はトルネード |
小野 秀子 |
| 道端に葉脈のみの旱草 |
石榑美枝子 |
| 絵文字入れ子のカレンダー夏旺ん |
髙木 満枝
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