令和7年3月
「
薪割
」
初比叡蒼き大湖を統べて立つ
真剣を素振り殺陣師の初稽古
飾り臼木地師手製の手斧跡
座り癖ある椅子に座し機始
空気色の内翅ふるひ雪蛍
闇といふヴェール隠れの夜の鴨
冬波が満たしきつたる日本海
注連を張る岩より汲める井華水
街道は山より暮れて日の短か
薪を割る空気も共に断ちにけり