令和7年2月
「
蛸
壺」
線書きの大作描く冬星座
樺太に育ち鋼の尾白鷲
声前へ前へと置きて小鳥来る
足もまた道具の一つ注連を綯ふ
寒星の無限級数空に嵌む
酒蔵や樽を転がす音寒し
八百の島島黒き無月かな
茶畑の葉を固くして冬の風
秋風を汚して蛸の壺洗ふ
土を吸ふ自然薯の根の髭まみれ