令和6年6月
「転げ落つ」
蓮植うる泥田百町輪中村
レガッタやのけぞる時に艇進む
魂の吸ひ込まれゆく夜の桜
火の波が火の波を消し野火消ゆる
照明を落とし幽玄涅槃絵図
岩捨てて岩捨てて搔く海苔採女
増水や一夜に消ゆる蜷の道
松の芯天の橋立海分かつ
泳ぐ羽を飛ぶ羽に換へ雁帰る
強東風や星転げ落つ地平線