令和6年3月
「光の器」
抜刀の冬日に光る野外能
野外能冬日を滑るシテの足袋
矢となりて寒九の水が喉奔る
一湾は光の器初日燦
御饌殿に捧ぐ朝飯淑気かな
お白石汚れ色なる年の暮
枯草や空気が色を抜きゆけり
飢ゑてゐる姿勢は見せず冬の鵙
山肌を飾る枯木の白珊瑚
締めどころ知りて長老注連を綯ふ