令和6年12月

「斎庭」
 
  色鳥や枝の整ふ金閣寺

  立ち仰ぐあきつの海の中にゐて

  大空にエコーのありて雁の声

  地の唄や徳利を打ちて古酒を汲む

  膝打つも一つの囃子秋祭

  藍所祭法被の藍づくし

  大掘りに小掘りを加へ自然薯掘る

  秋の水青の洞門蒼深む

  岩よりも錆色深く鮎落ちる

  新涼や海が斎庭の興玉社