令和7年12月

「型彫
 
  誘ひ込む水の形や鮎の梁

  秋灯下肘を支点に型を彫る

  林檎描く影が命の静物画

  蛇笏の居後山に林檎豊かなる

  林檎もぐ足下に天竜川大蛇行

  嶺近し雲を踏みつつ山登る

  白き風溜めて棉の実膨らめり

  オーロラのごと羽広げ秋驟雨

  渡り来て木々を濁らす椋鳥の声

  白き布畳むごとくに蕎麦を刈る