令和5年1月
「火傷」
 
  蓮掘女動く一歩に泥地獄

  一年の土の疲れを冬耕す

  踏み入らば足火傷せん曼珠沙華

  大根蒔く屈めば屈む影連れて

  弾帯をベルト代りに猟夫かな

  冷まじや石割れ石の仏割る

  型彫りに浮き出る木目涼新た

  殻が殻支へ崩れぬ牡蠣の山

  山の香の濃き猿酒の野趣の味

  後退の時も暴るる神輿かな