この作品について
原作:リバス公爵アンヘル・デ・サーベドラ『ドン・アルヴァーロ、または運命の力』
台本:フランチェスコ・マリア・ピアーヴェ(改訂版はアントニオ・ギスランツォーニ)
初演:1862年11月10日 ペテルブルク・ロシア帝室歌劇場(改訂版は1869年2月27日・ミラノ・スカラ座)
公爵の娘レオノーラとその恋人、そして彼女の兄の三人が運命に翻弄されていく悲劇。序曲はヴェルディの書いた管弦楽曲の中で最も有名。CMや、一時期はドラマにも使われていた。また第4幕のレオノーラのアリア「神よ、平和を与えたまえ」も、その特徴的な前奏や歌い出しからもよく知られている。コンクールやコンサートでもよく歌われる曲である。
登場人物
- レオノーラ/ソプラノ
カラトラーヴァ公爵の娘。名前だけ見ると「トロヴァトーレ」のレオノーラと混同しそうだが、別人。 - アルヴァーロ/テノール
レオノーラの恋人。(適当だなおい) - カルロ/バリトン
レオノーラの兄。…名前つけるのがめんどくさい?
あらすじ
第一幕
公爵の娘レオノーラは、アルヴァーロと恋仲だが、父は結婚を許さない。ふたりは駆け落ちを決意。夜、ふたりが家を出ようとすると、公爵が現われる。アルヴァーロは無抵抗を示すためにピストルを床に投げ捨てるが、それが暴発し、弾が公爵に命中してしまう。公爵は絶命し、ふたりは逃げてしまう。
第二幕
その後、レオノーラの兄カルロは彼らを捜す。レオノーラはアリア憐れみの聖母:Madre,pietosa Vergineを歌い、修道院に入る。一方、アルヴァーロはイタリア戦線で士官としての日々を過ごす。彼はある士官を助ける。その士官は奇遇にもカルロだった。ともに偽名を使っていたのでそうとは気づかず、二人は友情を誓い合う。
第三幕
戦場でアルヴァーロは負傷する。彼はカルロに小箱を渡し、もし自分が死んだらこれを焼き捨ててほしいと頼む。彼が手術を受けている間にカルロは小箱を開け、彼が父を殺したアルヴァーロであることを悟る。アルヴァーロが全快した後、カルロは彼に決闘を申し込むが、巡邏兵に止められる。運命の恐ろしさを感じたアルヴァーロは修道院に入る。
第四幕
その後、カルロは僧となった彼を追い、ついに決闘に持ち込む。が、決闘では逆にアルヴァーロが勝つ。洞窟の中で2人を待つレオノーラ。不安な心情をアリア:神よ、平和を与えたまえ:Pace,mio Dio!で表現。アルヴァーロが瀕死のカルロを洞穴に連れて行くと、そこにはレオノーラがいた。彼女が兄に近寄ると、兄は最後の力で妹を刺し殺す。