この作品について
原作:スクリーブ台本、ドニゼッティ作曲の未完の遺作オペラ 『アルバ公爵』
台本:ウジェーヌ・スクリーブ シャルル・デュヴェイリエ
初演:1855年6月13日 パリ・オペラ座
パリのオペラ座のためにグランド・オペラ・スタイル(5幕でバレエシーンが多い)で、初めてフランス語の台本に作曲したヴェルディ19番目の、『椿姫』に次ぐオペラ。
イタリア人の先輩作曲家ドニゼッティが亡くなり、未完に終わった作品の台本を手直しして、作曲したものだ。だからあまり乗ってないという説があるが、やはりヴェルディらしさは随所に感じられる。
登場人物
- エレナ公女/ソプラノ
前シチリア王の妹。 - アッリーゴ/テノール
公女を愛するシチリアの若者。 - モンフォルテ/バリトン
フランスのシチリア総督。
あらすじ
第一幕
フランス統治下のシチリア島。フランス人にシチリア人は反感を抱いていた。島の若者アッリーゴは前シチリア王の妹エレナに好意を抱いている。現シチリア総督のモンフォルテは、アッリーゴに身の上を聞く。彼は父も母もいないと答える。そこで総督は自分の部下にと誘うが、彼は断る。そしてエレナのためなら命も惜しくないと言う。
第二幕
一方、亡命していた独立運動の志士プロチダが帰ってくる。彼はエレナとアッリーゴに接近し、フランス人への報復の機は熟したと言う。そこへフランス兵がやって来て、アッリーゴを連れ去る。
第三幕
モンフォルテ総督は、かつてシチリア女との間に生まれた子供がアッリーゴであると知って、アリア喜びのうちにを歌う。
第四幕
仮面舞踏会が開かれ、この機に総督を暗殺しようとプロチダがアッリーゴを誘う。しかし、アッリーゴは父を救う。彼は自分の運命を呪い、アリア涙の日を歌う。
第五幕
モンフォルテはエレナとアッリーゴの結婚を許し、エレナはありがとう、友よ:Merce dilette amiciを歌う。しかし、ふたりの婚礼の鐘の音を合図に、シチリア人のフランス人への襲撃が始まる。