この作品について
原作:ダンテ 『神曲』地獄編
台本:ジョヴァッキーノ・フォルツァーノ
初演:1918年12月14日 ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場
3部作の最後をしめくくる喜劇。ラウレッタの歌うアリア『私の優しいお父さん』は有名で、よく結婚式のBGMや式場のCMで使われたり歌われたりしている。
欲深い人間に対する風刺のきいたこのオペラは、ジャンニ・スキッキ役の演技力が全てを握る。いかに観客を笑いに誘うか?!が最大のネック。
登場人物
- ジャンニ・スキッキ/バリトン
50歳の成り上がり者。悪知恵が働く。バリトンってこういう役柄が多い気が(略 - ラウレッタ/ソプラノ
ジャンニ・スキッキの娘。恋人のリヌッチョとの結婚を夢見ている。 - リヌッチョ/テノール
ラウレッタの恋人。
あらすじ
1299年のフィレンツェ。大金持ちのブオーゾが亡くなり、親類たちが大げさに嘆き悲しんでいるが、彼らの本当の関心は遺産の行方だ。そこで一同は遺言状探しに躍起になり、ついにリヌッチョが遺言状を見つけ出す。リヌッチョは、ジャンニ・スキッキの娘ラウレッタとの結婚を許してくれるなら遺言状を渡すと言い、伯母のツィータはそれを認め、彼はスキッキ父娘を呼びにやらせる。
しかし、遺言状を開けてみると、遺産はすべて修道院に寄付するように書かれていた。何とかこの遺言状の内容を替えることができないか、という話になり、リヌッチョはスキッキを推薦する。父娘が到着すると、父は乗り気ではなかったが、娘がアリア私の優しいお父さん:O mio babbino caroを歌って協力を頼むので、相談に乗る。結局、スキッキ自身がブオーゾになりすまし、遺言状を作り替えることになる。口々にスキッキに自分の希望を言う親類たち。
やがて公証人が呼ばれ、偽ブオーゾは、その遺産のほとんどを「親友のスキッキに贈る」と言う。公証人が帰ったあと、親類たちは怒りをぶつけるが、もうどうしようもない。彼らは追い出され、リヌッチョとラウレッタだけが幸せに酔いしれる。最後にスキッキの口上で幕。