後宮からの誘拐 / Die Entführung aus dem Serail

この作品について

原作:クリストフ・フリードリッヒ・ブレッツナーの台本 『ベルモンテとコンスタンツェまたは後宮からの逃走』
台本:ゴットリープ・シュテファニー
初演:1782年7月16日 ウィーン・ブルク劇場

 ジングシュピールと呼ばれるドイツ語の歌芝居。歌芝居と言っても、コンスタンツェのコロラトゥーラ的歌唱からオスミンの超低音のバスまで、様々なアリアが盛り込まれていて、声楽的な魅力がいっぱいである。舞台はトルコとなっていて、当時の異国趣味が音楽にも反映されている。

登場人物

あらすじ

 いいなずけのコンスタンツェを探し求めてトルコへと上陸したスペインの青年、ベルモンテは、後宮(要するにハーレム)に捕らわれの身となっている彼女の救出を決意する。彼は同じく捕らわれの身の従者ペドリロの協力を得て、後宮への足がかりをつかみ、救出の機会をうかがう。しかし、後宮は門番のオスミンに見張られていて、救出は思うにまかせない。一方コンスタンツェの侍女でやはり捕らわれているブロンデも、オスミンの粗暴な言動や横恋慕に悩まされている。

 ペドリロは一計を案じ、眠り薬を混ぜたワインをオスミンに飲ませ、4人そろって逃亡を企てるが、もう少しのところでオスミンに気づかれ、捕えられてしまう。謀りごとがバレて、太守は激怒。さらに不運なことに、ベルモンテの父親がセリムの仇敵であることまで露見してしまう。4人は絶望し、死を覚悟する。しかし意外にも太守の宣告は「お前の父と同じことはするまい」と、復讐の代わりに敢えて善行をもってするという寛大なものだった。4人は解放され、喜びのうちに帰郷の途につく。