さきの項目では不規則動詞「avere」を学びました。
今回は、規則的な変化をする規則動詞のうちの1つ、
are動詞について書きたいと思います。
イタリア語の規則動詞は、語尾によって3種類に分けられます。
「are動詞」「ire動詞」「ere動詞」の3つで、
それぞれ「アーレ動詞」「イーレ動詞」「エーレ動詞」と読みます。
これは、前回も書いた通り、イタリア語のアクセントが、少しの例外を除いて
後ろから2つ目の母音につくため、このような発音になります。
それでは今回の本題、規則動詞「amare」(アマーレ)を勉強しましょう。
「amare」は語尾の3文字を見て分かる通り、「are動詞」です。
意味は「愛する」。アリアによくありそうな言葉です。
では以下の表を見てみましょう。
| 単 数 | 複 数 |
1人称 | amo:アーモ | amiamo:アミアーモ |
2人称 | ami:アーミ | amate:アマーテ |
3人称 | ama:アーマ | amano:アーマノ |
横に書いてあるカタカナは発音です。
伸びて発音しているのがアクセントです。
ひとつだけ他の活用とアクセントがずれるのが3人称複数です。
この活用だけ、後ろから3番目の母音にアクセントが来ます。
この原則は、全ての動詞に適応されるので、しっかり覚えて下さい。
間違えても「アマーノ」と発音しないように注意!
黒文字が語幹です。
この部分は、語尾がどんなに変化しようとも変化しません。
イタリア語の動詞は、「語幹+変化語尾」で構成されているので、
辞書を引く場合、活用されている語尾を「are」「ire」「ere」から見分け、
語幹にくっつけた上で調べる、という手順が必要になります。
赤文字が、人称によって変化する部分で、ここを覚えなければなりません。
覚えるためには、ひたすら反復して覚えるのが確実です。
余談ですが、私が勉強した大学の語学の先生は、
「語学はスポーツだ」と言っておられました。
「反復して身体に覚えさせること」、これが原則だと教えられました。
話を元に戻します。先ほどの例文と、表を見比べましょう。
Alvaro,io t'amo.
「io」は一番最初にやった人称代名詞「私は」ですね。
中間にある「t'」は「あなたを」という意味の代名詞ですが、
これについては別の項目で勉強します。
そして「amo」。発音は「アーモ」でした。
ここでこれらを発音すると、
「アルヴァーロ、イーオ、ターモ」となりますが、
楽譜上では「io」は短い音符であり、「t'amo」とあれば、
「誰が誰をどうしているか」が一目瞭然なので、
「io」はそんなに強調して読みません。
よって、「アルヴァーロ、イオ、ターモ」という風に、
楽譜に書かれたようなリズムで読むことが出来ると思います。
こういうところに、作曲者の言葉に対するセンスが伺えます。
イタリア語の便利なところは、主語によって活用が全部違うため、
主語がなくても通じる、つまりは少ない言葉で文章が出来てしまうのです。
この辺りが、オペラという芸術が発達した所以なのかもしれませんね。
もうひとつ、are動詞の活用を上げておきましょう。
「parlare(パルラーレ):話す、言う」という意味のare動詞です。
| 単 数 | 複 数 |
1人称 | parlo:パルロ | parliamo:パルリアーモ |
2人称 | parli:パルリ | parlate:パルラーテ |
3人称 | parla:パルラ | parlano:パルラノ |
ここでも3人称複数は後ろから3番目の母音にアクセント
という原則が適応されているのを見つけられましたか?
「are動詞」は、ほとんどが活用に特例がない規則動詞です。
アリアや詩の中でも、見つけやすく、不定型(動詞の原型)にしやすいでしょう。
よく使われるare動詞を以下に挙げて、今回の勉強を終わろうと思います。
不定型 | 発 音 | 意 味 |
aspettare | アスペッターレ | 待つ |
dare | ダーレ | 与える |
giurare | ジュラーレ | 誓う |
guardare | グワルダーレ | 見る |
perdonare | ペルドナーレ | 許す |
tornare | トルナーレ | 帰る、戻る |
|