動詞の活用 〜essere〜

Gli enigmi sono tre, la morte è una!
3つ、死1つです
プッチーニ作曲「トゥーランドット」より
トゥーランドットのアリア「この宮殿で」

さきほどの「主語人称代名詞」で主語は省略可能と言いました。
それでは何で文章の主語を決めるのかと言うと、
動詞の活用で主語を見極めることになります。
今回は数ある動詞の中でも、特に使用頻度の高い「essere」、
英語でいう「be動詞」の活用を覚えることにしましょう。
ちなみにessereは「〜は〜である」という意味を持ちます。

単 数複 数
1人称sono(ソーノ)siamo(スィアーモ)
2人称sei(セーイ)siete(スィエーテ)
3人称è(エ)sono(ソーノ)

この表を見てみると、人称によって
全て活用が違うことがお分かりでしょうか。
「essere」は不規則動詞ですので、活用は丸暗記するしかありません。
ちなみに3人称単数の「è」についているのはゴミではありませんので(笑)
この記号も含め、覚えて下さい。この記号がないと、違う意味になります。
規則動詞については、次項で説明することにします。

例文を見てみましょう。
Gli enigmi sono tre, la morte è una!
3つ、死1つです

「Gli enigmi(リ・エニーグミ)」は「謎(複数形)」、「tre」は「3」、
「la morte(ラ・モルテ)」は「死(単数形)」、「una」は「1」です。

「謎」は複数形、「私(1人称)」や「あなた(2人称)」ではないので
3人称複数」→「sono」になります。
「死」は単数形、同じく1・2人称ではないので
3人称単数」→「è」になります。

このように、人称の違いはもちろん、
主語の単数、複数の違いによっても動詞の活用は変わります。

このessereは「〜は〜です」という意味のほかに、
「私は〜です」という、自分の名前や立場を言う場合にも使われます。

Son vergin vezzosa.(主語人称代名詞「io」の省略)
私は美しい乙女です

ちなみに「sono」→「son」はトロンカメントという語尾音の削除で、
話し言葉で使われることは少ないようです。
アリアでは時々このトロンカメントが出てくるので、
覚えておくといいでしょう。