最初の難関?! 〜ウムラウトの発音〜

Höre mit Sinn, was ich dir sage!
しっかり聞いて!私があなたに言うことを!
ワーグナー作曲「ニーベルングの指輪〜神々の黄昏〜」より
ヴァルトラウテのアリア「私の言うことを聞いて!」

英語や日本語に無い発音、ウムラウト。
決して、伊達や酔狂で点々がついているわけではなく、
ちゃんと発音記号として機能しています。
原則として、口の形と違う母音を発音すると、再現出来ます。
例文に、さきほどの主語人称代名詞、「ich」が出てきますが、
ここでは特に触れません。

文字口の形発音する母音近い日本語
ä(アーウムラウト)
ö(オーウムラウト)…?
ü(ウーウムラウト)

例えばä(アーウムラウト)を発音してみましょう。
口を「あ」の形に開けたまま、「え」と発音します。
少々、なまったような感じになりませんか?
なまりを記号化したものが、ウムラウトだと考えても
差し支えないかもしれません。

ところで、お気づきでしょうか?
表をよくよく見てみて下さい。
ウムラウトの元になっているアルファベット
(ä(アーウムラウト)ならaのこと)が、
口の形を表わしていることに、お気づきでしょうか?

つまり、アルファベットが表す口の形をしつつ、
「発音する母音」を言えばいいわけです。

ここで注意すべきは、アルファベットを英語読みしないこと
ついつい「a」は「エー」と読みがちですが、
ドイツ語で「エー」と言うと、「e」のことになります。
ドイツ語は、英語よりも、どちらかと言えばローマ字読みに近く、
発音もかなり規則的です。
(英語は、様々な言語の発音規則が混じっているようです。)

同じように、öとüも発音してみましょう。
üは、意外に(?)難関です。
私が聞いたところによると、標準語の地域出身者よりも、
東北出身の方は比較的習得しやすいそうです。
ちなみに、私はどっちかと言うと関西寄りのなまりです。

まぁそんなことは置いておいて、
ウムラウトが、ドイツ語特有の発音と言ってもいいくらい、
これをうまく発音出来れば、かなりドイツ語らしくなります。
何度も発音し、時にはネイティヴの発音を聞いてみたりして、
(ラジオやテレビでもドイツ語会話がありますので)
ウムラウトの発音に慣れてみましょう。
同時に、口の形と発音母音が混乱しないよう、
身体と口で覚えてしまいましょう。