この作品について
台本:ガエタノ・ロッシ
初演:1842年5月19日 ウィーン・ケルントナー・トーア劇場
ウィーンの帝室ケルントナー・トーア劇場の委嘱で書かれたドニゼッティのロマン的な名作。作曲家の生誕200年(1997年)を機にエディタ・グルベローヴァが復活させた。1800年代前半、ケルントナー・トーア劇場はドニゼッティ上演のメッカだった。
モンブランの山麓シャモニーは今でこそ最高級リゾート地だが、オペラの時代設定となった1760年代は典型的な寒村。リンダはそこからパリへ出たのだ。
登場人物
- リンダ/ソプラノ
- カルロ/テノール
- ボアフレリー/バリトン
- アントニオ/バリトン
あらすじ
第一幕
モンブランの麓、サヴォイ地方の山村シャモニー。小作農のアントニオと妻のマッダレーナは小作契約の打ち切りを案じている。娘リンダをボアフレリー侯爵の城に引き渡す話があった。それは侯爵の下心に過ぎなかった。リンダが愛しているのは貧しい画家カルロ(実はシルヴァーノ伯爵)。カルロとリンダは結婚を夢見る。シャモニーの村長がリンダの父アントニオにボアフレリー侯爵の魂胆を忠告。パリへ出稼ぎに出発する村人と一緒にパリへ送り出すことを勧める。孤児の旅芸人ピエロットに付き添われてリンダはパリへ。
第二幕
カルロは身分を明かし、リンダに豊かな暮らしをさせる。が、カルロに身分にふさわしい結婚話が持ち上がった。パリを訪れた父アントニオは娘リンダがカルロの愛人になったと誤解。そこへピエロットがカルロの結婚式について報告に来る。気を失うリンダ。
第三幕
カルロはシャモニーの村長にリンダと結婚できるようになったと語るが、彼女の置かれた境遇を知って自責の念にかられる。故郷に戻って発狂したリンダは、カルロの愛の歌によって正気に戻る。2人を祝福する村人たち。