アンナ・ボレーナ / Anna Bolena

この作品について

台本:フェリーチェ・ロマーニ
初演:1830年12月26日 ミラノ・カルカーノ劇場

 多作家ドニゼッティの名声が一段と高まった劇的な作品で、16世紀のウィンザー城が舞台。アンナ・ボレーナ(アン・ボーレン)はイングランド王エンリーコ(ヘンリー8世)の2人目の王妃。イングランド王はローマ教皇(カトリック)と訣別してまでアンと結婚したが、やがて3人目の王妃を迎える――『アンナ・ボレーナ』はこの逸話に基づいている。第2場の狂乱の場がドラマの頂点。

登場人物

あらすじ

第一幕
 国王エンリーコに愛人ができ、王妃アンナのもとを訪れなくなったとの声。王の気持ちはアンナの女官ジョヴァンナに移っている。アンナに不義の罪を着せ、離縁を目論むエンリーコは彼女の昔の恋人ペルシ(パーシ)卿の釈放を決定。ペルシはそれが罠とも知らず王妃に好意を示す。想いが叶わなければ自殺する、と短剣を取り出すペルシ。物陰から見ていた小姓の楽士スメトンが飛び出し、ペルシをアンナに引き合わせたアンナの兄シュフォール卿も駆けつけた。してやったりのエンリーコはアンナとペルシらを捕らえる。

第二幕
 牢獄のアンナのもとに女官ジョヴァンナが訪れ、国王と離縁すれば死は免れると伝える。拒否したアンナはジョヴァンナこそ国王の愛人と見抜くが、彼女を許す。小姓スメトンがありもしない王妃の罪を告白。一方ペルシはアンナがかつて自分の妻だったと話す。
 ジョヴァンナは身を引きたいと嘆くが、国王は耳を貸さない。アンナらの死刑が宣告された。錯乱するアンナは苦悩のなかった昔を懐かしむ(私が生まれたあのお城:Al dolce guidami:狂乱の場)。新王妃誕生の祝砲が鳴り響く中、アンナは息を引き取る。