ニュルンベルクのマイスタージンガー / Die Meistersinger von Nürnberg

この作品について

台本:作曲家自身
初演:1868年6月21日 バイエルン宮廷歌劇場

 ワーグナーには珍しい(唯一?)喜劇。といは言っても楽しいばかりのオペラではなく、涙あり、感動あり、訓戒ありの質実剛健な作品になっている。この作品のテーマは、若者が歌合戦で勝利して愛する娘と結ばれるという運びよりも、熟年の親方がちょっぴり惚れているその娘をあきらめて、次世代を担う若者に譲る、という姿に焦点が当てられている。

登場人物

あらすじ

第一幕
 金細工師の娘エーファと騎士ヴァルターは礼拝の席でそっと目を交わす。しかし礼拝後、明日の歌合戦で優勝したマイスタージンガーがエーファに求婚できると聞き、歌の作法を知らないヴァルターは失望する。そこへ、ザックスの徒弟ダーヴィトが歌の試験の準備にやってくる。彼に歌を教わることになったヴァルターは、規則の煩雑さに頭を抱えるが、マイスターとは独創的な詩と旋律で、新しい音楽を創る人と聞いて希望を取り戻し、歌試験に挑む。エーファとの結婚を望む書記ベックメッサーはライバル出現に渋い顔。彼は記録係として採点を担当。ヴァルターが歌い出すと、すぐさま間違いだらけで落第だと攻撃。靴屋の親方ザックスがかばうが、受け入れられない。

第二幕
 乳母から試験の結果を聞き、嘆くエーファ。仕事場に戻ったザックスは今日の騎士の歌を思い返し、大いに気に入ったと呟く。エーファが相談に来るが、彼女を愛しながらもヴァルターと結ばせてやろうと考えるザックスは巧みに話をそらす。エーファとヴァルターは駆け落ちを決心。エーファが変装して逃げようとすると、ベックメッサーが登場。隠れた2人に気付かず、エーファの服装で窓辺に立つ乳母に向かい歌で愛を告白。これをザックスが靴底を叩いて邪魔をし、(金槌の音とセレナーデが組み合わさったここの音楽は秀逸。)さらにダーヴィトが恋敵と誤解して彼に殴りかかり、町中が大騒ぎに。

第三幕
 翌朝、ヴァルターが昨晩見た夢を、ザックスはメモに書き留め、応募歌にと勧める。しかしその紙を盗み見たベックメッサーがザックスの作と勘違いしてなじったため、ザックスはある名案を思いつき、メモの紙を進呈。ベックメッサーは大喜びで帰り、ザックスは完成した新曲に満足気。
 歌合戦が始まり、まずベックメッサーが歌うが、歌詞がうろ覚えなので何度も間違え、皆に笑われる。ザックスは本当の作者としてヴァルターを紹介。見事な歌に人々は感動し、ヴァルターとエーファの2人を祝福する。エーファの父ポーグナーはヴァルターをマイスターにしようとするが、彼は不遜にもそれを拒否。しかしザックスがマイスターの重要性を説くと、それを受ける。皆がザックスとドイツ芸術を称え、幕。