ローエングリン / Lohengrin

この作品について

原作:ヴォルフラム・フォン・エッシェンバッハの叙事詩『パルツィバール』、コンラート・フォン・ヴュルツブルクの『白鳥の騎士』、グリム兄弟の『ドイツ伝説集』(1818)など
台本:作曲家自身
初演:1850年8月28日 ヴァイマル宮廷歌劇場

 悪いやつにはめられて困っているお姫様を助けるために、誰も知らない遠い国から白鳥に曳かれて(←かっこよくない…)謎の騎士がやって来た。でも、役目が終わると彼は颯爽と去って行く。と書くといかにも陳腐な御伽噺だが、ワーグナーの音楽と詩にかかると単なる御伽噺で終わらない。
 ドイツ・ロマン派特有の憧れや不安、また悪魔的な側面も余すところなく書き込まれている。

登場人物

あらすじ

第一幕
 ドイツ国王ハインリヒが、東方遠征の募兵のためにブラバント公国を訪れた。そこへテルラムント伯爵が現われ、とんでもない訴えを起こす。伯爵は、公国の世継ぎが現在行方不明になっているのは、その姉である前大公の息女エルザが殺したのではないか、というのだ。エルザが呼ばれ釈明を促される。彼女は青ざめながらも、夢に見た立派な騎士のことを思い、彼こそ自分のために闘ってくれる人だと言う。伝令がその騎士を呼ぶ。やがて小舟を白鳥に曳かせた騎士が登場。(実はこの場面を授業で見た時、大笑いしてしまった…)彼はエルザに、その夫となり領地を守るが、決して自分の身分も名前も尋ねないよう約束させる。騎士と伯爵は、神の裁きを願って闘うが、一撃で伯爵が倒される。エルザの潔白が証明されたのだ。人々はエルザと白鳥の騎士を祝福する。

第二幕
 追放となったフリードリヒは、妻の嘘に乗せられ名誉を失ったとオルトルートを責める。彼女は、騎士が魔法で裁判をごまかしたと、エルザをそそのかす悪知恵を企む。ちょうど現われたエルザにオルトルートは言葉巧みに近づき、同情をひく。夜が明け、結婚のため聖堂へ向かうエルザに、突然オルトルートが「氏素性の知れぬ騎士は、魔法を使ったのだ」と罵る。一同が現われると、今度はフリードリヒが騎士を告発する。しかし騎士は毅然と「自分が答えねばならないのは、エルザに問われた時だけ」と言う。

第三幕
 婚礼を無事済ませ、2人だけになったエルザと騎士の愛のひととき。しかし疑念に捕われたエルザは夫の身元を問い詰める。困惑する騎士。そこへ仲間を連れたフリードリヒが侵入、騎士に斬りかかって殺される。河畔で騎士を待つ王と兵士たちの許へ、青ざめたエルザとその夫が来る。騎士は、妻が自分に禁じられた問いを発したと告げ、ついに身元を明かす。自分は聖杯に仕える王パルツィヴァールの息子ローエングリンである、と。エルザや人々が引き止める中、迎えの白鳥が来る。それはオルトルートが魔法で変えたエルザの弟ゴットフリートだった。彼を魔法から解き、新公爵として皆に引渡し、ローエングリンは静かに去る。エルザは悲しみのあまり倒れる。