日記帳


● 最近、思うこと ●
2005-3/11(Fri)

昨日からすっきりしない天気が続いてます。
んで、今日はオペラ協会のレッスンだったわけですが、相変わらずボロボロです。
なんか、最近まともに最後まで歌えた試しがないかもです。
練習せずに服作ってるからだろ、とか言う声が聞こえてきそうです。
実際そのとおりです。猛反省しております。

先日、オペラ協会の活動が凍結される、という話を聞いて以来、
ずっと考えていることがあります。
それは、これからのクラシック音楽のありかた、とでも言いますか、
今後、演奏家が演奏家として生きていくにはどうしたらいいか、
というスケールが大きそうな話ですが、
実はどうやって音楽で食っていくかという、かなり現実味あふれる疑問だったりします。
このことに関して反響がけっこうあったので、改めて自分の意見など書いてみます。

オペラ、という芸術をするには、必要なものが非常にたくさんあります。
大道具・小道具、衣装、メイク、照明、舞台、それらに伴うスタッフ、
歌手、オーケストラ、指揮者などなど…
「じゅごん」でも感じたのですが、本当に多くの人が協力して、
1つの舞台を作り上げています。
当然、お金も非常にたくさん必要です。
それをチケット代だけでまかなえるか、と言ったら、答えはNOです。
天才クイズみたいですね。(中部圏にしか分からないことを…)

そこで、オペラの団体も、スポンサーを募ればいいのでは、と思うのです。
スポーツ選手みたいに、歌手にも企業のバックアップとか、
そういうのはダメですかねぇ?
もしくは、この公演はこの企業がスポンサーです、みたいに
公演ごとにスポンサーが違ってもいいのでは、とか思ったり。
その公演には、そのスポンサー企業のお得意様とかに招待券や優待券を配って
(もちろん、普通にチケットを買っても入場可)観に来ていただく、とか。

と、まぁ一番下っ端の私が勝手に妄想していることなので、
実際こんな上手い話があったら誰でも飛びつくよなぁ…と
相変わらず冷めたことも考えています。

ですが、自分自身、演奏家として食っていこうと思っているので、
けっこう真剣に考えていたりします。こう見えても。
今、クラシック音楽は、けっこう閉ざされた分野になってしまっているのかもしれません。
クラシックは難しい、分かりにくい、敷居が高そう…などなど、
「シューベルトの夕べ」を開いた時にも思ったのですが、
「食わず嫌い」の人が多いかもしれません。

ならば。食わせればいいわけで。
食わないことには何も始まりません。
相変わらず言葉が悪くて申し訳ない。

話は変わりますが「ノルマ制のチケット」も、実は反対です。
出演者(ソリストや合唱)に、あなたは何枚売りなさい、とノルマを課されるわけですが、
これではその売り手の知り合いしか来ないことは、誰が考えても分かります。
道行く知らない人に、「これ買いませんか?」とか売るわけでもないですし。

ノルマ制のチケットのメリットは、チケットが何枚売れたかを把握しやすいこと。
前もって収入のめどがつけやすいこと。
デメリットは、知り合いばっかりの観客になる怖れがあること。
知り合いというのは、知っている相手を少なからず甘く見るので、
少々下手でも「良かったよ〜」とか言ったりします。
実はこれが演奏者の質を下げてる、ということもあったり。
また、チケット代を負担する人が毎回同じ人になる怖れがあること。
最初の何回かは良くても、次第に「…また?」となると、
音楽自体に嫌気がさしてしまうかもしれません。よ?

もちろん、演奏者が知り合いを招く程度にチケットを手に入れるのは
悪いことではないと思いますが、チケットの全てを演奏者で分担するというのは、
ちょっと効率的ではないと思うんです。

じゃあ、知らない人に買ってもらうには。
宣伝して、そのオペラを観に行こう!と思わせなければなりません。
これが実は一番大変なことでして。
しかも、音楽の人が一番苦手なことだったりします。

音楽畑の人は、演奏の技術を見ます。
ですが、普通の人(音楽の人が普通じゃないみたいですが)は、
技術を見に来るんではないと思うんです。
もちろん、自分の思いどおりに演奏するために技術は必要です。
ですがあくまでそれは「手段」であって、「目的」ではない。
技術のない私が言うと、自己弁護にしか聞こえませんが(´・ω・`)

音楽を専門的に勉強しているわけではない人、
つまり世間一般の人が、歌に対して何を求めているかを知れば、
どう宣伝すればいいかが分かるかもしれません。

音楽を聴くこと自体、一種の「道楽」です。
でも私は、演奏する側としては、「道楽」で終わらせたくはありません。
もちろん、聴きに来て下さる方には、楽しんでもらいたい。
音楽という、「非日常」を過ごしてもらいたい。
技術とか、そういう雑念抜きに、単純に歌を楽しんでもらいたい。

で、話がまたしても逸れてしまったわけですが、
まとめるとですね、演奏家が演奏家として生きていけるような
システムを作りたい(と言うか作ってほしい)と思うわけです。
まぁその前に自分の技術を磨け、って感じですね。

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