Un bel di vedremo


ある晴れた日

プッチーニ作曲:オペラ「蝶々夫人」より:蝶々夫人のアリア
〜G.Puccini:Opera“Madama Butterfly”:Aria di Butterfly〜


Un bel dì, vedremoいつかある日、
levarsi un fil di fumo煙がひとすじ見えるの
dall'estremo confin del mare.はるか彼方の海の向こうに。
E poi la nave appare.そして船の姿が現れるの。
Poi la nave bianca真っ白の船
entra nel porto,その船は港に入り、
romba il suo saluto.礼砲を鳴らすわ。
Vedi? È venuto!見えて?戻ってらしたのよ!
Io non gli scendo incontro. Io no.私はお迎えに行かないわ。
Mi metto là sul ciglio del colle e aspetto,あそこの丘の端に立って
e aspetto gran tempo e non mi pesa,待つの、長いこと。
la lunga attesa.でも辛くないわ、どんなに長くても。
E uscito dalla folla cittadinaそのうち町の中から人が、
un uomo, un picciol punto豆粒のように小さな人が、
s'avvia per la collina.その人は丘の方へ向かって来るの。
          
Chi sarà? chi sarà?誰かしら?その人は?
E come sarà giuntoここへ来たら
che dirà? che dirà?何て言うかしら?
Chiamerà Butterfly dalla lontana.遠くから「蝶々さん」て呼ぶわ。
Io senza dar risposta私は答えずに
me ne starò nascosta隠れているの、
un po' per celia... e un po'半分は冗談で…でももう半分は、
per non morire al primo incontro,会ったとたん死んでしまわないためによ。
ed egli alquanto in pena chiamerà,あの人は少し心配になって呼ぶわ、
chiamerà: iccina mogliettina美女桜の香りのかわいい奥さん、って
olezzo di verbena,だって私のことを
i nomi che mi dava al suo venireそう呼んでらしたから。
          
Tutto questo avverrà, te lo prometto.全てこの通りになるわ、きっと。
Tienti la tua paura,お前は心配していなさい、
io consicura fede l'aspetto.私は信じてあの方を待つわ。

蝶々夫人が歌う、超有名なアリア。
高度な技術と強靭な声が要求される曲でもある。
1度聞いたら、忘れられない。
邦訳の題は「ある晴れた日」になっており、
実際「Un bel di vedremo」の「bel」には「晴れた」という意味もあるが、
このbelは単になにかいい日、というニュアンスを表しているだけで、
本当に天気がいい日に、というわけではない。
英語の「One fine day(ある日)」という表現にあたる。
っていうか晴れた日にしか帰ってこないって、
ピンカートンは南の島のハメハメハ大王かと。