Re dell'abisso, affrettati


地獄の王よ、急ぎたまえ

ヴェルディ作曲:オペラ「仮面舞踏会」より:ウルリカのアリア
〜G.Verdi:Opera“Un Ballo in Maschera”:Aria di Urlica〜


Re dell'abisso, affrettati,地獄の王よ、急ぎたまえ、
precipita per l'etra,大気をよぎって飛び降りよ。
Senza libar la folgore稲妻よりも早く
il tetto mio penètra.わが屋根を貫いて来い。
          
Omai tre volte l'upupaヤツガシラドリはすでに3度
dall'alto sospirò;甲高く啼いた。
La salamandra ignivora火とかげは3度
tre volte sibilò...音を立てた…
E delle tombe il gemitoそして墓の呻き声は
tre volte a me parlò.私に3度語りかけた。
          
È lui, è lui! ne' palpiti彼だ!彼だ!胸のときめきの中に
come risento adesso彼の激しい抱擁の喜びが
la voluttà riardere再び燃えさかるのを
del suo tremendo amplesso!今、私は強く感じている!
La face del futuro彼は左手に
Nella sinistra egli ha.未来の松明を掲げている。
M'arrise al mio scongiuro,私の祈りに笑いかけ、
rifolgorar la fa:再び稲妻を走らせる。
Nulla, più nulla ascondersi私の視線に対してなにものも、もはや
al guardo mio potrà!姿を隠すことはできないだろう。
          
Silenzio, silenzio!静かに、静かに!

この曲は、数少ないアルトのアリアの中でも、
特に低い音域を必要とする曲である。
ト音(ピアノの真中のドの3つ下のソ)という、
女性にとってはかなりの低音が一番の聞かせどころという、
非常に特異なアリア。