Non so più cosa son


自分で自分が分からない

モーツァルト作曲:オペラ「フィガロの結婚」より:ケルビーノのアリア
〜W.A.Mozart:Opera“Le Nozze di Figaro”:Aria di Cherubino〜


Non so più cosa son, cosa faccio,もう自分が何者で、何をしているのか分からない。
Or di fuoco, ora sono di ghiaccio,今燃え上がったかと思えば、すぐに冷めてしまう。
Ogni donna cangiar di colore,どんな女性にも平静を失い、
Ogni donna mi fa palpitar.胸がときめいてしまう。
          
Solo ai nomi d'amor, di diletto,愛という言葉だけで
Mi si turba, mi s'altera il petto,僕の心は喜びに震え、胸は高鳴る。
E a parlare mi sforza d'amoreそして言いがたい心で、愛について
Un desio ch'io non posso spiegar.語らずにはいられなくなってしまう。
          
Parlo d'amor vegliando,目覚めては愛を語り
Parlo d'amor sognando,夢の中でも愛を語り、
All'acque, all'ombra, ai monti,水に、影に、山々に、
Ai fiori, all'erbe, ai fonti,花々に、草に、湧き出る泉に、
All'eco, all'aria, ai ventiこだまに、大気に、
Che il suon de' vani accentiこの空しい言葉の響きを
Portano via con se.運び去ってしまう風に愛を語る。
          
E, se non ho chi m'oda,そして、もし僕の言葉に耳を傾ける者がいなければ
Parlo d'amor con me!自分ひとりで愛を語るのだ!

思春期の少年の多感さを巧みに表現したアリア。
常に落ち着かない音型、
不安なリズムや焦るようなテンポなど、
モーツァルトの才能が存分に発揮されている曲。