ひまわり油の特徴と成分
代表的なサラダ油の中でも、ひまわり油は飽和脂肪酸が少なく、高水準の多価不飽和脂肪酸を含んでいます。成分としては、
リノール酸やビタミンEを多く含んでいます
。主に、炒め物用に使われていますが、パン焼き用に加工されマーガリンとしても使われています。
ひまわり油と比較する
脂肪酸の割合
オリーブ油
77%
9%
13%
なたね油
62%
32%
6%
ラード
47%
12%
41%
牛肉の脂肪
44%
4%
52%
バター
34%
2%
64%
大豆油
24%
61%
15%
ひまわり油
20%
69%
11%
紅花油
13%
77%
10%
単価不飽和脂肪酸
多価不飽和脂肪酸
飽和脂肪酸
単価不飽和脂肪酸とは、
オレイン酸が代表的な成分で、動脈硬化・胸やけ・胃酸過多・胃潰瘍・便秘・老化・等の予防になります。また、
オレイン酸は体内で酸化されにくい特徴
があります。オリーブ油が代表的なオレイン酸含有食品で、植物油のなかで最も消化・吸収がよいとされています。
多価不飽和脂肪酸とは、
リノール酸、α‐リノレン酸が代表的な成分です。しかし、リノール酸には酸化されやすいという難点があり、摂取しすぎると体内で
過酸化脂質となってがんの原因
となる。肺がんや乳がん、大腸がん、前立腺がんなどはリノール酸によって促進されることがわかっています。
その他には、主に青背の魚に多く含まれるDHA、EPAなどが多価不飽和脂肪酸にあたります。DHA・EPAは脳の発達や機能に関与したり、血液をさらさらにする働きがあります。
飽和脂肪酸とは、
主に、肉や乳製品などの動物性食品に多く含まれている脂肪酸で、摂取しすぎると悪玉コレステロールや中性脂肪が増え、
動脈硬化
をまねく原因になります。
リノール酸について
一日あたりのリノール酸の
摂取量の目安は1〜2g
とされており、ご飯を3杯分食べれば十分にまかなえる量となっています。普通の生活では、必要量の10倍以上のリノール酸を摂取しているといわれており、リノール酸含有量の高い植物油はあまり良くないと報告されています。
理想の植物油について
以上の内容から考えて、
単価不飽和脂肪酸の割合が高く、多価不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸の割合が低い油が理想
となります。上記の表からみると、オリーブ油やなたね油の脂肪酸の割合をしているサラダ油が理想といえます。
ひまわり油を分析すると
飽和脂肪酸が少ない(11%)ので
太りにくい
という特徴がありますが、多価不飽和脂肪酸の割合が非常に高い(69%)ので必要以上にリノール酸が多く含まれており
リノール酸の過剰摂取
が起きると予想されるので、天ぷら油等として使うにはややお薦めできません。ただ、ひまわり油の場合は酸化防止効果のあるビタミンEを豊富に含んでいますので、リノール酸の高い含有量を除けば、酸化しにくい良質の健康植物油といえます。
改良されているひまわり油
現在、単価不飽和酸脂肪(主にオレイン酸)の割合が高く多価不飽和酸脂肪(主にリノール酸)の割合の低いひまわり油を作るために、
油糧用のひまわりの種が改良されています。
その改良されたひまわりの種から摂れた油は、オレイン酸のひまわり油として商品化されています。この改良されたオレイン酸のひまわり油は、なたね油に近い脂肪酸の割合をしており、既存のリノール酸の多いひまわり油より体にやさしい健康植物油となっています。
脂肪酸の割合
既存の
リノール酸のひまわり油
20%
69%
11%
↓
改良された
オレイン酸のひまわり油
65%
26%
9%
単価不飽和脂肪酸
多価不飽和脂肪酸
飽和脂肪酸
また、これらの脂肪酸には血中コレステロール値を変動させる働きがあります。
作用
血中コレステロール値を上げる
血中コレステロール値を下げる
種類
飽和脂肪酸
(主に動物性脂肪に含まれる)
不飽和脂肪酸
(単価)
(多価不飽和脂肪酸)
オレイン酸
EPA
DHA
リノール酸
α‐リノレン酸
例
牛脂・ラード・バター・
チーズ・卵黄・肉類の脂身・
洋菓子など
オリーブ油
など
まぐろ・さば
まいわし・ぶり
など
紅花油
ひまわり油
など
参考資料:
NSA
の報告書(2004年度の資料)より
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