ひまわり病害虫対策 

ひまわりは特に病害虫に強い植物で、めったに病害虫の被害によって枯れてしまうという事はありません。しかし、ひまわりを完璧な状態に育て、大きくてきれいな花を咲かせたいという方の為にひまわりの病害虫対策のページを作りました。


ひまわりにつく害虫は4種類 ‐ 被害は早期発見がカギ
害虫の名前 発生時期 症状 対策
ハダニ

吸汁性害虫
5〜9月 ハダニは葉の裏に群れるようにつき、葉の栄養分を吸い、葉を痩せらしてしまう。吸われた箇所に白い斑点ができる。 ハダニは水に弱いので、毎日の水やりを欠かさないようにする。
早期発見し、オルトラン粒剤を株元に散布し、葉・茎の全体に散水する。
アブラムシ

吸汁性害虫
5〜10月 通称「ガメ」や「カメムシ」と呼ばれてる。
新芽や葉裏などに寄生し、汁液を吸って、ひまわりの成長を妨げる。群れで寄生される場合が多く、早めに殺虫しなければならない。
早期発見し、モスピラン・トップジンMスプレーを散布する。
液汁を吸って出るアブラムシの排泄物は甘くて、それを狙ってたくさんのアリが寄ってくる。葉・茎にアリがたくさん登っていたらアブラムシもいるので注意。
ナメクジ

食害性害虫
4〜6月 発芽時期が一番狙われやすく、食い始めたら根気にムシャムシャと若葉を食べ尽くす。 ナメクジを見つけたら塩をかけて退治!大量にいる場合は、0.3〜0.5%の塩水を作りジョウロでまく。
葉の表面にナメクジが通った跡を見つけたが、その姿が見えない場合、ナメトックス液を周辺にまいて予防する。
ヨトウムシ

食害性害虫
5〜6月、9月 葉を好みよく食べる。ひどい場合は葉脈だけ残して穴だらけにさせられる。ひまわりの生育を阻害される上に外観が損なわれる。 ヨトウムシは漢字で夜盗虫と書き、昼間は隠れていて夜に葉を食べにくる害虫で、昼間にヨトウムシを見つけるのは困難である。
早期発見し、オルトラン粒剤を株元に散布する。

ひまわりの四大病気 ‐ 殺菌剤を常備しましょう
病気の名前 発生時期 症状 対策
黒班病 6〜8月 地面に近い下のほうの葉によく感染し、黒褐色の小斑点がいくつか生じる。斑点は徐々に広がっていきその周辺が黄色く変色する。病班の中心部分が破れることもあり、時が経つに連れて黒く溶けるように葉が枯れていく。 降雨直後などの多湿時に発生するので注意する。
早期発見し、モスピラン・トップジンMスプレーを散布する。
すでに病気が進んでいる場合は、患部を切り取り処分する。
べと病 7〜8月 葉脈に囲まれた部分が、黄緑色に変色し多角形の病班ができます。地面に近い葉ほど発病しやすい。 降雨後の多湿時に発病しやすいので注意する。
早期発見し、オーソサイド水和剤80を散布する。
褐班病 7〜8月 葉先に褐色の斑点ができ、しだいに拡大していく。 早期発見し、モスピラン・トップジンMスプレーを散布する。
すでに病気が進んでいる場合は、患部を切り取り処分する。
菌核病 6・9月 花の裏に発生し病班を作る。しだいに病班が拡大し、花全体が枯れ落ちてしまう重大な病気。 気温が低い時期に開花すると発病しやすくなるので注意する。早期発見し、ただちに発病した花を根っこから引き抜き焼却する。

ひまわりの二大小動物被害 ‐ 種を大事に取っておきたい方のために
小動物の名前 被害時期 被害 対策
小鳥さん 7〜10月 小鳥さんがやってきて、花の上にとまり、少し実った種(完全に実ったような堅い種はあまり取りに来ない)を上のほうから順番に、花の上から下向きになってつっつく。そして、種の実だけをうまいこと食べ、殻を落としていく。採種した後、種を乾燥させている時にも被害が多い。 花が咲いて、少し実ができ始めた頃にやって来るので、その時期に注意して観察する。一羽見つかると、群れを連れてやってくるようになるので、被害が大きければ鳥よけ防除ネットを花の上にかぶせる。
または、風車を近くに設置する。効き目は、まだ実験していないのでわからないが、ある程度は効果があるでしょう。
風車の作り方はこちら
リス 8〜9月 リスは、小鳥とちがって、堅くなった実りの種を好み、口にたくさんの種を含んで、巣に持ち帰る。 種の実りが確認できたら、すぐに採って保管する。
種の実りが完成する前に、リスの被害にあった場合は、防除ネットを花の上にかぶせる。

薬剤の紹介
薬剤の名前 形状 説明
オルトラン粒剤
粒剤 吸汁性・食害性害虫の両方に幅広く効果がある。

植物自体に殺虫効果をもたせる浸透移行性剤で、葉・茎を加害した害虫を退治する。

使い方は、害虫発生初期に粒剤を株元散布し、根から成分を吸収させる。粒状でそのままパラパラと散布できる。水やりや雨が降るごとに植物に吸収され、効きめはゆっくりだが、長期間(2〜3週間)にわたって効果が持続し、害虫退治と予防が一度にできる。

注意:土地が極度に乾燥している時は使用しない。
オルトラン水和剤
水和剤 オルトランの水和剤タイプ。

栽培面積がかなり広い場合に、オルトラン粒剤の代わりに使用する。吸汁性・食害性害虫の両方に幅広く効果がある。1000〜1500倍に水で薄めて散布する。
モスピラン・トップジン
Mスプレー
スプレー剤 アブラムシ・黒班病・褐班病に使用する。殺菌殺虫剤。

植物自体に殺虫効果をもたせる浸透移行性剤で、葉・茎を加害した害虫を退治する。

黒班病・褐班病を予防・治療する効果がある。
ナメトックス液
液剤 ナメクジ・カタツムリ専門の退治薬。

生息場所や通り道に散布する。植物には直接散布しない。
オーソサイド水和剤80
水和剤 べと病の殺菌に使用する。

600倍に水で薄めて散布する。黒班病にも効果がある。
鳥よけネット
ポリエチレン 鳥よけ専用のネット。

軽くて丈夫なので使いやすく、簡単に鳥の被害を防除できる。リスの被害からも併用して使える。

薬剤の使用について 注意事項
薬剤の使用の前に、それが病害虫による症状なのか、日照不足などの栽培環境の悪状況による症状なのかを見極めてから病害虫対策をしてください。
また、早期発見が一番の予防法ですので、日々の観察を怠らないようにします。早期発見・早期治療を行えば元気で立派なひまわりを育てることができます。
液剤やスプレー剤を使用する時は、マスク、手袋、園芸用メガネなどを着用する。
散布後は、手を洗い、うがいをしましょう。
眼に入った場合には直ちに洗眼し、眼科医の手当てを受けてください。


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